羽生田たかしWEB通信 4号

2019年5月10日

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    羽生田たかしWEB通信4号
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 平成が幕を閉じ、新元号「令和」の時代が始まりました。
 上皇が天皇陛下としての最後のお言葉は「明日から始まる新しい令和の時代が、平和で実り多くあることを、皇后と共に心から願い、ここに我が国と世界の人々の安寧と幸せを祈ります。」でありました。
私たち国民と共に歩まれてきた上皇陛下に感謝を申し上げます。令和を治められる新天皇は「自己の研鑽(けんさん)に励むとともに、常に国民を思い、寄り添いながら、憲法にのっとり、象徴としての責務を果たす」とのお言葉を述べられました。
 「令和」という時代が素晴らしい時を刻むことを心より願うと共に、私たち政治家は、平和で希望に満ち溢れた時代の国づくりに向け、一心不乱に邁進すべきと改めて痛感した一日でもありました。
 さて、前回のWEB3号では「医療費亡国論」という言葉に対して、私の思い「医療費興国論」について書かせていただきました。沢山のご意見をいただきありがとうございます。
 財政論による医療費抑制ありきの政策は、大雑把に言えば、医療を患者から遠ざけ、診察にかかり難くし、受診の回数を減少させることで医療費を削減する、という論なのかと思いますが、実際は早い段階、ごく初期の段階で積極的に治療を受けることで、早い回復や重症化予防につながり医療費は明らかに削減されることとなります。検診や検査を受ける機会をつくることは、早期の発見だけでなく、自分に対する啓発啓蒙や、気付きともいえる自分の状態を正しく知ることの大切さでもあります。
 予防接種も医療費削減の一翼を担う方法であり、現在定期化されているものはきちんと費用対効果が検証されています。まだ定期化されていないものについても、多くの要因があるため費用対効果の検証に時間を要してはいますが、着実に検証が進められております。しかし一方で、HPVワクチンなど費用対効果の検証結果があるものの、予防接種が進まず、このままでは「日本は子宮頸がん対策における後進国」と烙印を押される恐れすらあるものもあります。
 日本は予防接種において様々な歴史があり、それと共にワクチンギャップというものが生まれました。直近では風疹が大流行しましたが、過去には風疹が定期接種されなかった時代があり、抗体をほとんど持たない世代を生みました。今回はまさにその世代を中心に感染が広がり、たちまち猛威を振るう事態となってしまいました。風疹は、特に妊娠初期の女性がかかることで胎児に先天性風疹症候群という障害が現れやすくなります。その対策をとることは子供を守ることに繋がるものであります。予防接種の勧奨は本人のみならず、周りへの感染や封じ込めにも大変大きな影響があり、感染拡大防止による予防接種の費用対効果を示す一例であります。
 私は今後、現在のワクチン行政及び制度を根本から見直してゆく必要があると考えています。近年、急激なペースでグロバール化する社会においては、人や物が国際間を活発に移動し、それに伴いウィルスや細菌など病原体の移動も容易になっています。今や、感染症は国内対策でのみでは国民を守ることはできません。政府は国際的な感染の脅威に晒されていることを認識し、国防ととらえ早急に対策を講じるべきです。また、海外企業に比べ脆弱な国内のワクチン産業基盤の再構築や、予防接種するリスク、ベネフィットを検証する機関の設置など、決してデメリット論にのみ流されず、ワクチン行政は常に前を向いて歩んでいかなければならないと考えております。
予防接種以外においても、予防による効果が検証されている例も多く、口腔ケアなどは誤嚥性肺炎予防や認知症対策にもなるといったエビデンスも積み上がっていることも特筆すべき点ではないでしょうか。今や手術前の歯科治療や口腔ケア等は肺炎予防の為多く対応されております。
 また、近年の医療技術の進歩は目覚ましく、一昔前には考えられないような医薬品、機器や治療方法も登場し、大きな成果を上げております。その一方で、先端の技術にはそれなりのコストがかかり、医療費の増大に繋がるという議論がされることもありますが、治療や手術においては高いか安いかだけで評価するのは間違いです。
手術費用が高いといっても、社会復帰が早く、傷が小さく患者の肉体的、精神的な負担が小さく、また入院期間も短いなどの効果があれば、それは費用だけでは語れない治療であり、どれほど経済効果が高いものかまた、患者にとっての負担が少ないか計り知れないと考えます。特に体に大きな傷跡を残すことになる手術などは、やはり患者の心理的・精神的また肉体的負担は大きく傷とともに深く残ることも多く、可能な限り、小さな手術跡によって治療後の生活やQOLに大きな違いがでることもあります。特に女性における手術跡の大きさや見た目は大切な問題であります。これを費用によって決めるのか、費用対効果によって語るのかは一概には言えないと思っています。
このように財政論だけで医療を評価することは大変危険な事であり、医療における費用対効果は様々な要因があり、安易な金額や費用対効果論だけではないことを今後も強く発信してまいります。

参議院財政金融委員会 理事
自民党厚生労働部会 部会長代理
医師の働き方プロジェクトチーム 座長
参議院議員
羽生田 たかし

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 すべての人にやさしい医療・介護を
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