羽生田たかしWEB通信30号

2020年5月21日

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羽生田たかしWEB通信30号
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  【政府による初診のオンライン診療恒久化について】

 政府による初診のオンライン診療恒久化検討という記事が、連日大きく取り上げられている。新型コロナウイルス対応下において、感染拡大防止を目的に時限措置(特例措置)として全国で初診から可能となったオンライン診療について、政府は国家戦略特区審問会議に於いて恒久化に向けた議論をはじめた。
すでにこのオンライン診療対応をされている医療機関も感じている事と思うが、初診をオンラインで診ることは本当に確定診断が的確に出来るのであろうか。コロナ感染拡大という下での初診であるから、一時的なものとして診断に至ったのではないだろうか。きちんとした検証が必要であると考えている。
患者の基礎疾患や血液検査、脈、心音、肺の音など情報がないままに、画面の向こうの初めて会う患者の説明だけで診断をするのは容易なことではない。いかに確実な診療・診断がされ、そして治療・回復から健康の保持・増進を確実に実行するためには、患者との初診の直接対面診療が必要であることは論を俟たない。患者の不安を拭うための健康相談や指導、受診の目安や、経過観察の必要性などは初めての方へも可能であるし、電話相談などは日常的に多くある。よって、「診断」とは基本的考え方が違うと認識している。
恒久的なオンラインによる初診にて診断をする是非は、医療界の意見をしっかり聞き、実態の検証をした上でなければならいと強く政府へ申し上げる。日本医師会においても今回の初診を時限的に許したのは医療者を感染から守る意味合いが大いにある。防護具・マスクまでが医療機関で不足し、医療従事者を感染症の危険にさらした事態を改める事が先決で、新型コロナ感染症対策に乗じて、初診オンライン診療の恒久化など急ぐ必要のない議論を追い風とするのは如何なものか。
また、オンライン診療アプリなどを導入する動きも報道されている。アプリ等のプラットホームを使うことでオンライン診療時の医療費を決済しやすくする利便性は理解できるが、その導入費や医療機関が支払う利用料・手数料・契約料はすべて医療財源で、いわゆる国費・保険料・患者負担の医療財源から株式会社などへ持ち出されるものとなる。
感染症をビジネスチャンスとする医療に何の責任もない第三者によって、利便性のみが強調され、患者への不利益や医療者への負担がきちんとした議論のないまま「恒久化」ありきで推進する国家戦略特区諮問会議に警鐘を鳴らしたい。特例措置を平時まで取り入れる必要性について賢明な判断をお願いしたい。

参議院議員
羽生田俊

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